千葉エリアの大学等研究機関(千葉大学,東邦大学,日本大学,木更津工業高等専門学校,放射線医学総合研究所及び千葉工業大学)で創出された学術研究成果や事業活動等を広く企業や地域社会に公開し,産学官出会いの機会を設け,各機関の研究シーズ・成果を活かした更なる新技術の開発や新規事業の育成及びイノベーション創成を図るため,「千葉エリア産学官連携オープンフォーラム2011」を開催いたします。
皆様方のご参加をお待ちしております。

 

開催日時 2011年9月16日(金) 11:00-17:00
開催会場 千葉工業大学 津田沼キャンパス 新1号棟 Map
千葉県習志野市津田沼2丁目17番1号
・JR津田沼駅 南口徒歩1分
※お車でのご来場はご遠慮くださいますようお願いいたします。
参加費 無料(ただし産学官交流会は,2,000円)
主催 千葉工業大学,千葉大学,東邦大学,日本大学,木更津工業高等専門学校,(独)放射線医学総合研究所
共催 千葉県,(公財)千葉県産業振興センター
後援 千葉銀行,千葉興業銀行,京葉銀行,千葉市,習志野市,船橋市,木更津市,松戸市,柏市,流山市,(財)千葉市産業振興財団,千葉産業人クラブ,(社)千葉県経営者協会,(社)千葉県商工会議所連合会,千葉県商工会連合会,千葉県中小企業団体中央会,千葉県経済同友会,コラボ産学官 千葉支部(千葉信用金庫),(独)科学技術振興機構,(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構,(独)中小企業基盤整備機構 関東支部,ちば新事業創出ネットワーク(順不同)
幹事校Web 千葉エリア産学官連携オープンフォーラム2011
ダウンロード ●参加申込書
●パンフレット

 

スケジュール

11:00-12:00 研究室見学
12:20-12:50 福島第一原子力発電所に投入されたロボット「Quince」同型機によるデモと展示
13:00-14:30 講演会
14:30-15:00 福島第一原子力発電所に投入されたロボット「Quince」同型機によるデモと展示
15:00-17:00 研究シーズ展示会,技術相談
17:30-19:00 産学官交流会

 

プログラム

講演会
13:00〜14:30
新1号棟 3F 大教室

◆挨拶:千葉県副知事 坂本森男 氏
◆挨拶:千葉工業大学 学長 本岡誠一
▽特定テーマ講演  「復興支援技術」(10分/1件)
 (1)「地盤不飽和化による液状化対策工法の開発」
   千葉工業大学工学部建築都市環境学科 教授 畑中宗憲
 (2)「長期放射線影響調査支援のための臨床検体の保存・保管の標準化」
   千葉大学医学研究院分子病態解析学 講師 松下一之
 (3)「新種の微細藻類「バイノス」を活用した「し尿処理技術」の開発」
   株式会社日本バイオマス研究所 代表取締役 湯川恭啓
   東邦大学医学部薬理学講座 教授 杉山 篤
 (4)「災害でより美しくより強く蘇る厳島神社に学ぶ東日本復興の方法とデザイン」
   日本大学理工学部社会交通工学科 教授 伊澤 岬
 (5)「緊急被ばく医療:REMATの設立」
   (独)放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター
   運営企画ユニット業務推進室 室長 蜂谷みさを


   ◇総合司会:坂本幸弘 千葉工業大学技術・情報センター運営委員会委員長
            (千葉工業大学工学部機械サイエンス学科 教授)

 

日本大学の研究成果パネル発表

15:00〜17:00(新1号棟 2F)

テーマ 代表研究者 タイトル
研究目的
復興支援技術
都市計画
理工学部
社会交通工学科
教授
伊澤  岬

災害でより美しくより強く蘇る厳島神社に学ぶ東日本復興の方法とデザイン

 失墜した日本の技術が再び国際的評価を得られるような復興を願い21世紀型のかわす防災ビジョンや自然エネルギー,ユニバーサルデザインの視点で提案。津波を堤防で抑え込むのではなく,災害をかわすことでより美しく,より強く蘇る厳島のように,東日本の復興もそうあって欲しいと考えた提案です。具体的には,津波の道筋を予想してかわしいつでも,どこからでも逃げ切れる街づくりを防災ブリッジ,コリドール,タワーさらに避難ビル,斜面住居によって街全体で約500㍍の避難距離のネットワークを形成することで対応します。6月15日に宮古市長に説明,実現に向けた協働への第一歩を踏み出すことができたと考えております。

代替エネルギー 生産工学部
電気電子工学科
教授
清水 耕作

高効率太陽電池の作製

 外部電源を必要としない電源システムの研究開発および,太陽の光を可能な限り効率よく利用することで効率の高い太陽電池の作製などの研究開発を行っている。軽いこと,壊れにくいことを基本としてポータブルな太陽光発電を目指すほか,熱電変換システム,蓄電システムをも有することを特徴としている。

環境,エネルギー 理工学部
物質応用化学科
准教授
遠山 岳史

二酸化炭素吹き込みによるリン酸塩含有廃棄物からのリン酸の回収

 現在,リン資源の枯渇により下水焼却汚泥などの未利用リン資源が注目されているが,重金属などの有害成分を多く含有しているため,これらを含まない簡便・省エネルギー型のリン酸回収プロセスの開発が求められている。本研究は二酸化炭素を吹き込むだけの簡便なプロセスで重金属を含まないリン酸水溶液を回収することを目的としている。

廃棄物 理工学部
物質応用化学科
教授
平野 勝巳

木質バイオマスの直接液化反応

 本プロセスは系外副原料を必要とせず,温和な反応条件下で石油代替燃料を製造できるため,複雑な化学装置を用いない小規模分散型のプラントが構築可能である。被災地における廃棄物処理とエネルギー確保の問題を同時に解決する方法として好適である。

廃棄物 理工学部
物質応用化学科
教授
小嶋 芳行

MEAに吸収させたCO2の炭酸カルシウムとしての固定

 モノエタノールアミン(MEA)を用いてCO2を吸収させて,その後高濃度CO2として排出させ,隔離させる方法が実施されている。しかし,われわれはMEAに吸収されたCO2を固体の炭酸カルシウムとして固定化させることに成功した。これを用いることにより,中小企業にMEA溶液を配り,排出されるCO2を毎日MEAで回収してもらい,それを回収して一括して炭酸塩として固定化させることが可能になる。

廃棄物 生産工学部
土木工学科
助教
加納 陽輔

アスファルト舗装廃材からの素材回収方法

 アスファルト舗装廃材は,良質な骨材と貴重なアスファルトを含有した天然資源混合物である。

 近年では機械破砕によって舗装廃材を粒状化し,得られた再生骨材の大半を舗装材料として再利用している。しかしながら,再生骨材は骨材とアスファルトが混在した材料であるため,具体的な品質管理や持続的な利活用は難しい。

 舗装廃材が含有する骨材(石,砂)とアスファルトを有効に,かつ幅広く活用するためにも,カン,ビン,ペットボトルなどと同様に素材ごとに分別して回収するリサイクル技術の開発が不可欠である。

ライフサイエンス 生産工学部
環境安全工学科
教授
神野 英毅

超高感度C‐反応性タンパク質測定試薬及び測定方法

 C-反応性タンパク(CRP)は,炎症性疾患や組織の変性・壊死が生じると急速に血中に増加し,血中CRP濃度の測定は,炎症,組織破壊性疾患の診断に広く臨床的に利用されている。近年,心筋梗塞や新生児感染症等の予知マーカーとしての有用性が確認され,その測定には精密性と高感度性が要求されている。被検試料中のCRPを高い感度で,迅速かつ簡便に測定できる手段を提供することを目的とする。

ライフサイエンス 薬学部
薬学科
教授
北中  進

抗肥満を目指した生薬の探索

 近年,日本および欧米先進国では,内臓型肥満に高血糖・高脂血症・高血圧症を複合合併する,いわゆるメタボリックシンドロームが増加している。メタボリックシンドロームの発症に深くかかわっている肥満は,過食によるエネルギーの過剰摂取や運動不足による消費エネルギー低下などにより,脂肪細胞数の増加や脂肪細胞自身が必要以上のTriglyceride (TG,中性脂肪) を蓄積し,肥大化した結果生じる。このため,脂肪細胞の分化やTGの蓄積を抑制し,肥大化を防ぐ天然薬物を探索することは,肥満を主としたメタボリックシンドロームの改善につながると考えている。

ライフサイエンス 薬学部
薬学科
助教
橋崎  要

生体・環境調和型オイルゲルの開発

 これまで,オイルをゲル化する目的で多くの低分子ゲル化剤や高分子ゲル化剤が開発されてきたが,それぞれ欠点があり,生体や環境に対する高い安全性,優れた使用感,および良好なゲル化能を全て併せ持つオイルゲル化剤は今まで得られていない。

 そこで,レシチンオルガノゲル系において,生体や環境に対する高い安全性,良好なゲル化能,使用感に優れ,取扱性のよさ等を全て合わせ持つゲル化剤を開発することを研究目的とする。

材料,廃棄物 生産工学部
機械工学科
教授
久保田正広

アルミニウム切削屑のアップグレードリサイクル材の開発

 地球温暖化問題を解決するために,軽量かつ室温で高い機械的強度を有する材料の開発が望まれている。軽量なアルミニウム合金を輸送機器の構造材料として適用することで,車体重量の軽減による燃費の向上,走行距離に対する排気ガス排出量を効率よく低減することが可能である。また,循環型(3R)社会の構築は,低炭素社会を実現しようとする今日において最も重要な課題の一つといえる。

 アルミニウムのリサイクルは,スクラップ材を新生地金に加えた後,再溶解して再生地金を得る方法が一般的に用いられている。この方法で得られる再生地金は,スクラップ材より低品位な特性となるうえ,再溶解工程で多量のエネルギーを消費する。そこで,溶解鋳造法を用いずにアルミニウムをリサイクルするプロセスが確立できれば,資源エネルギー問題や資源枯渇問題を同時に解決することができると考えられる。また,リサイクルプロセスの中でスクラップ材に付加価値を付与し,スクラップ材の特性を上回るリサイクル材が作製できれば,さらに大きなメリットをもたらすと考えられる。

 本発明では,これらの問題や欠点を解決し,かつリサイクル材の特性を飛躍的に高める製造プロセスを確立した。すなわち,工場から排出されるアルミニウム合金切削屑を機械的に粉砕し,その粉末を熱間押出加工によってバルク材を作製した。作製したバルク材の特性は,従来の機械的強度を大幅に上回った。