出展内容:日本大学は、アグリ関係の研究を生物資源科学部をはじめ多くの学部で行っており、多様なシーズを有しています。今回は特に以下のシーズをご紹介します。
厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」によると我国における糖尿病患者とその予備軍は2,210万人にものぼります。糖尿病の管理と予防において、食後血糖値の上昇を穏やかにする食品の摂取が重要になっています。
今回、今まで米の加工品製造過程で廃棄されていた米の難消化性アルブミンに、食後血糖の上昇を抑制する効果があることを見出したのでご紹介します。
発表:11月26日(水) セミナールーム2
「穀類タンパク質による血糖値上昇抑制」
小麦アルブミンはアミラーゼ阻害活性を有し、これによりデンプンの分解を阻害し、血糖値上昇を抑制することが知られている。当研究室では、他の穀類から、α-アミラーゼを阻害するタンパク質を見つけた。しかし、このタンパク質をラットに投与した場合には、血糖値上昇抑制作用が見られなかった。一方、ヒトやブタのアミラーゼを阻害しない米の難消化性アルブミンをラットに投与したところ、血糖値上昇を抑制することが判った。
日本大学 生物資源科学部
准教授
熊谷 日登美 |