「乳酸菌との共培養による酵母細胞の自動固定化法」 世界的なバイオエタノール生産拡大の中、酵母発酵プロセスの低コスト化は重要課題である。我々は、福山酢のサンプルから分離した乳酸菌(Lactobacillus
plantarum ML11-11)がサッカロマイセス属酵母と共培養すると、酵母細胞を含む顕著なバイオフィルムの形成を誘発することをみいだした。バイオフィルムは微生物細胞が固体表面に自動的に集合して形成される一種の固定化細胞である。我々が開発した「自動固定化法」は、酵母をL.
plantarumと共培養するだけで酵母細胞の凝集性を高め、固体表面にバイオフィルムとして固定化することを特徴とする。バイオフィルム固定化細胞は浮遊細胞同様の発酵能を示し、発酵生産に利用可能である。本技術は、固定化のためのゲル担体や、特殊な工程が不要なため、プロセスの簡略化が可能で、連続発酵における低コストオペレーションが期待できる。